top of page

水道メーター盗難の備え ― 見えないリスクから家族を守る決定版ガイド

  • 執筆者の写真: 神宮寺レイ
    神宮寺レイ
  • 11月28日
  • 読了時間: 5分

目次

  1. 日常の“当たり前”は、目に見えない仕組みに支えられている

  2. なぜ今、水道メーターが盗まれているのか — 背景にある3つの理由

  3. 盗難が家庭にもたらす“想像以上に深刻な影響”

  4. 水道メーターが盗まれたら、水は出っぱなし?料金は誰が払う?

  5. 今日からできる5つの備えで、暮らしの安心を守る

  6. 見えない場所で、暮らしを支えるということ

1. 日常の“当たり前”は、目に見えない仕組みに支えられている


朝、眠い目をこすりながら蛇口をひねる。透明な水が勢いよく流れ出し、手のひらに触れると気持ちがシャキッとする。

昼には洗濯機が回っていて、夕方には子どもが帰ってきて手を洗う。夜は家族みんなでお風呂に入って、今日の疲れを流す。

この何気ない動作のすべてが、「水が出ること」を当然だと思わせてくれています。

その安心を支えてくれているのが、家の外にある小さな装置―― 水道メーター

普段は気にもとめませんが、この小さな装置が“盗まれる”ことで、私たちの日常は驚くほど簡単に止まってしまうのです。


ree

2. なぜ今、水道メーターが盗まれているのか


背景にある3つの理由

「水道メーターなんて盗んでどうするの?」多くの人が抱く素朴な疑問ですが、近年の社会背景を見ると“十分に盗まれる理由”が存在しています。


① 金属価格(銅・真鍮)の高騰でお金になる

水道メーターの外装部分は、価値の高い金属でできています。

  • 銅(カッパー)

  • 真鍮(ブラス)

これらはスクラップとして売れます。世界的な電気自動車・再エネ需要で銅価格が上がると、金属盗難が増えるのは鉄板の流れ。

水道メーターも“持ち運びやすい”“価値がある”という理由で、残念ながら狙われてしまうのです。


② メーターボックスは鍵がなく、人目につきにくい

  • 地面に埋まっている

  • 家の横や庭の端

  • 道路に近い位置

このような、「誰も見ていない場所」にあります。

夜の静かな住宅街なら、ほんの数分で外せてしまう。構造的に盗まれやすいのが現状です。


③ 空き家・工事現場が増え、ターゲットになりやすい

近年増えている空き家。そして無人の新築現場。

両方とも、「盗まれても気づかれにくい」ため、まとまって狙われることがあります。


ree

3. 盗難が家庭にもたらす


“想像以上に深刻な影響”

「メーターがなくなるだけでしょ?」と思ったあなた。

実は、もっと深刻なのです。


① 家の水がすべて止まる

水道メーターは“家と水道管をつなぐ接続部”そのもの。

だから、外されれば家じゅうの水が全部止まります。

  • ご飯が作れない

  • 洗濯ができない

  • 手洗いできない

  • トイレが流せない

  • お風呂は当然ムリ

完全に生活がストップしてしまいます。


② 二次被害(漏水・逆流汚染・配管破損)のリスク

メーターを外された部分が露出すると、衛生面・設備面のリスクも発生。

  • 大量の水漏れ

  • 土や泥水の逆流

  • バルブ破損

  • 地面が水浸し

とくに逆流汚染は、水の衛生面に大きな影響を及ぼします。


③ 子育て家庭は影響が3倍重くなる

  • ミルクが作れない

  • 手洗いができない

  • シャワーが使えない

  • 洗濯が進まない

共働き家庭・子育て家庭にとっては、生活そのものが麻痺します。


ree

4. 水道メーターが盗まれたら、水は出っぱなし?料金は誰が払う?


水道メーターが盗まれたら、水は出っぱなし?その水道料金は誰が払う?

読者が最も不安に思うポイント。ここを丁寧にお答えします。


■ 結論:水は“出っぱなし”になる可能性があります。

盗む際の手順によって2パターンあります。


(A)止水栓を閉めて盗む → 水は出ない

慣れた犯行の場合、止水栓(メーターそばのバルブ)を閉めてから外すため、

  • 水は出ない

  • 水漏れも起きない

比較的“静かな犯行”です。


(B)止水せずに外す → 水が噴き出す

雑な犯行や急ぎの犯行だと、バルブを閉めずにメーターを外してしまい、

その瞬間、配管から水が噴き出します。地面が浸水して、近隣に流れ込むケースも。


■ では、その“漏れ続けた水の料金”は誰が払う?

ここが一番気になるポイントですが、安心してください。


⭐ 住民が負担することはありません。

これは全国で共通する扱いです。


【理由1】水道メーターは自治体(水道局)の所有物だから

メーター自体は住民の持ち物ではありません。管理責任は水道局にあります。

盗難・破損は利用者の責任ではないため、費用負担は求められません。


【理由2】“盗難・破壊による漏水”は減免の対象

ほぼ全ての自治体に「不可抗力による漏水 → 減免」という仕組みがあります。

盗難は典型的な不可抗力です。


よって、

  • 異常な水の使用量

  • 漏水による大量の流出

  • メーター外れによる水噴出

これらは 減免(無料 or 大幅軽減) の対象です。


■ 被害にあったらやること

1. 水道局へすぐ電話

  • メーター盗難

  • 水漏れ

  • 水が出ない→ すべて即連絡でOK。


2. 現場の写真を撮っておく

  • メーターボックス

  • 配管

  • 水が漏れている様子

説明がスムーズになります。


3. 水道料金はあとで調整される

請求書が届いても慌てなくてOK。


ree

5. 今日からできる5つの備えで、暮らしの安心を守る


水道メーター盗難は予想外のトラブルですが、家庭で取れる対策もあります。


① メーターボックスに簡易ロック

ワイヤーロックや南京錠タイプで十分。


② 外回りにセンサーライト設置

明るさだけで抑止効果は大きい。


③ 月1回の“家まわり点検”

外壁や排水溝と同じようにチェック。


④ 空き家・工事現場が近所にある場合は注意

地域全体のリスク上昇。


⑤ 異変があれば即、水道局へ

盗難・水漏れ・噴出は全部連絡でOK。


ree

6. 見えない場所で、暮らしを支えるということ


私たちの毎日は、小さな安心の積み重ねでできています。

蛇口を捻れば水が出ること。お風呂に入れること。子どもの手をきれいに洗えること。

その当たり前の裏には、“見えない場所で働く仕組み”があります。


水道メーターもそのひとつ。

普段気にしない場所だからこそ、少しの意識が大きな安心につながります。

これからも、暮らしのすぐそばで、そっと安心を支えていける存在でありたいと思っています。

bottom of page